2015年度卒業論文

有機的な体躯の動きと機械的な機構の造形調和の模索
- ザトウクジラを模倣したキネティックアートの製作 -

河野 光佑

芸術の表現方法の中でも、人と自然が触れて生まれる感情を形で表すものがある 1)。また、自然界に見られる構㐀と美は、工業デザインにも数多く取り入れられている。一方で、Apple 社の Mac book pro の内部部品の配置のように、工業製品の内部にまで行き届いている美しさもまた、製品デザイン上の合理的な構㐀設計から得られている。本研究では、“動物の合理的な構㐀がもたらす有機的で美しい体躯の動き”と工業製品の内部に見られる“合理的な部品の配置がもたらす美しさ”に着目する。例として、ドイツの FESTO 社 2)のような、生物の動きに着目した技術的なバイオミメティクスの研究は、高度な技術と内部機構と外観の美しさを両立させている。この様に、動物の外観の形状(シルエット)は保ちつつ、動物の動力である筋肉と骨の作用を、ギアとクランクを用いた機械的な機構に代替して再現する。それにより、機械的な構㐀と動物の体躯が繰り出す動きの美しさの調和を表現する。自然と人、技術の融合に新しい視点をもたらすことが出来ると考え、キネティックアートの制作を行う。

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